採用人事は、面接でどこを見ているのか?求職者はどこに気をつけたらいいのか?
今回のお題を担当させていただく、元人事のALL IS NEWシニアコンサルタントの立花です。社会人になって20年ほどが経ちますが、キャリアの半分以上は人事またはエージェントとして、求職者と向き合ってきました。そこで多くの方が気になる「面接でどこを見ているのだろう?」という疑問について、今回はお答えしたいと思います。
メラビアンの法則って、聞いたことがありますか?
メラビアンの法則は、1971年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校の心理学名誉教授であったアルバート・メラビアンによって発表されました。人と人がコミュニケーションを図る際、言語情報が7%、聴覚情報が38%、視覚情報が55%の割合で、相手に影響を与えるという心理学の法則です。このパーセンテージは3つの要素(言語、聴覚、視覚)に矛盾が生じている場合に、受け手が重視する要素のパーセンテージになります。なので面接では、単純に視覚情報が一番大事ということではなく、この3つの要素を意識して、伝えたいメッセージの方向性を揃えることが重要なので、まずはそこをお伝えします。
◆面接で気をつける「視覚情報」
自分が話す時はもちろん、面接官の話を聞く時、緊張して無表情になっていませんか?お互い話しやすい雰囲気となるよう、表情や視線は気をつけましょう。特にオンライン面接では、対面よりも相手に伝わっているかわかりづらいので、相槌なども織り交ぜて、表情や態度で示すことで面接官との対話がスムーズになります。
そして、会社に合わせた服装を心がけましょう。基準は、その会社に入社をしたら出社時に着る服装や髪型です。今はオフィスカジュアルの会社も増えたので、スーツを着ることも少なくなりましたが、面接官の役職によっては必要になることもありますので、気になる時は人事やエージェントに確認されると良いと思います。また、オンライン面接の時は、照明や背景にも気を配りましょう。対面でお会いする時と同じように面接に集中できる環境を作ることも大切です。
◆面接で気をつける「聴覚情報」
一般的には、声の大きさやトーン、速さや口調などがあげられますが、さらに付け加えると、話す順番と話す時間です。質問に対して、まず結論となる回答を伝えましょう。その上でその結論となった背景を話すと面接官も理解しやすいです。自分自身も話している間に「質問なんだったかな?」とならないように、まずは結論となる回答を伝えましょう。そして、話す時間も大事です。これは聞く側になってみるとわかりやすいかもしれません。いつまで話し続けるんだろう?と思ったこと、ありませんか?言いたいことを一気に全部伝えるのではなく、面接官の相槌や聞きたい質問を引き出しながら話を進められると、より良い対話の時間となります。
◆面接で気をつける「言語情報」
最後に、相手に伝わりやすい言葉選び、表現をするということが大切です。業界が同じでも会社が違えばルールや共通言語が違うことも多々あります。業界が違えば尚更ですね。いきなり知っている前提で話し始めてしまうと、あなたの強みや経験がイメージしづらく、伝えたいことが伝わりきれずに終わってしまうかもしれません。心配な時はエージェントや周りの方に言語化した内容を聞いてもらうと、自分では気がつかなかった部分が発見できるかもしれません。
面接でどこを見ているのだろう?
<面接官の見ている3つのポイント>
①相手の意図を理解して、伝えたいことを伝えられるコミュニケーション力
基本的に、面接は面接官が質問をして求職者が答えるという構図になります。なぜ、その質問をしているのかという意図を理解して、その上で自分が伝えたいことを伝える必要があります。上記のメラビアンの法則でお伝えしたこともぜひ活用してください。とはいえ面接の場は緊張していて、ぶっつけ本番では面接官の意図を掴みづらいかもしれません。そのために、事前準備の時間をしっかりととることをおすすめします。これもいいコミュニケーションを取るための大事なステップです。
②新しい環境に適応し、成果の再現性のある人かどうか
中途採用は、同業界で経験者などの場合はある程度経験値の判断がしやすいですが、そういった採用ばかりでもありません。大手からベンチャーといったように知名度や規模感が違ったり、異業界や未経験職種への転職の場合は、新しい環境に柔軟に適応し、成果に繋げられる可能性が高い人であるかを見ています。そのためには、今まで(第二新卒の場合は、学生時代も含む)の経験を深掘りすることで、親和性の高い部分がないかを確認します。と同時に、苦労するであろう点などを共有し、求職者の方にも入社後のイメージを持っていただき、ミスマッチを少なくすることも人事の時は気をつけていました。
③これまでの判断軸や今後のキャリアプラン(志向)がマッチしているかどうか
②の仕事内容だけではなく、価値観も面接で見ているポイントとなります。一次面接は②、最終面接は③の確認の割合が多いように感じます。人事は、採用をした瞬間がゴールではなく、そこから長く活躍していただけることを願って面接をしています。そのためにもお互いの方向性の重なっている部分を確認したいので、こう答えるといいという誰かの言葉を使うのではなく、自分自身の言葉を伝えるようにすることがお見送りとなったとしても結果的にはいい面接となると思います。
〜最後に〜
企業の数だけ、それぞれの選考基準があります。一社落ちてしまったからと必要以上に凹む必要はありません。ただ、次に繋げられるように自己理解を深めるのか、はたまた企業理解を深めるか、伝え方を練習するのか、その深掘りは必要です。
面接は新卒以来で不安、、、前回の転職で面接でうまく話すことができなかった、、、などございましたら、面接対策もしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。経験豊富なALL IS NEWのコンサルタントがお待ちしております!
文 立花 倫子
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