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2024.05.27

会社員と経営者の違いは?将来起業したいあなたに伝えたい、今のうちに意識しておきたいこと

「実は将来起業したいと思っていまして…」

起業してからというもの、転職相談の中で起業について質問をされる機会が増えました。私個人のnoteにも書いていますが、私は将来起業したいとぼんやり思いつつも「どうせ無理なんだろうなぁ」と半分諦めながら生きてきた人間です。(よかったらぜひこちらのnoteも読んでみてください)
昔から着実に計画して、未来を描いて、着実にステップを踏んでいった起業ではありませんでしたし、その時々のチャンスを、ある意味場当たり的に向き合ってきたタイプです。
そんな自分だからこそ、もしかすると参考になる部分もあるかも…ということで今回は将来起業したいと考えている方に向けて、「いま振り返ってみると」という何とも自分に都合の良い話をまとめてみたいと思います。

経営者視点なんて持てるわけがない

「経営者視点をもって仕事と向き合え!」的なことを言われてきた方も多いのではないでしょうか?私は散々言われてきましたし、「経営者視点をもって働いてるぜ!」と若干イキっていた時代もあったと感じております。
これはあくまでも持論ですが、結論から言うと本当の意味で経営者視点をもって会社員として働くなんて無理だと思ってます。特にまだ管理職に就いていないタイミングでは。これは能力の問題というよりも見ている景色の違いだと考えています。
時々「うちの経営陣はお客さんのことなんてまるでわかっていない」なんて愚痴を耳にすることがありますが、果たして本当にそうでしょうか?経営メンバーの多くは何らかの事業を経験し、マーケットを熟知し、大きな成果を上げてきた方で構成されていると思います。例えそれが過去の話だとしても。そんな方々が「お客さんのことをまるでわかっていない」わけがありません。ではなぜそう思ってしまうのか。それは視座と視野の違いにあります。
例えばあなたが大きなパンを持っていたとします。そして自分の隣にいる人がお腹が空いていそうなのでそのパンを分けてあげました。するとその隣の人はとても喜んでくれて、あなたも良いことをしたなと心が満たされるでしょう。ところが少し周りを見渡すと同じフロアにはもっとお腹が空いていそうな人がたくさんいます。みんな平等に分けてあげられるほどのパンは持ち合わせていませんし、さっき隣の人にあげた量と同じだけ配ってしまったらせいぜいあと1〜2名にしか渡せません。さて、どうしますか?さっきパンをあげた隣の人から少し返してもらうかもしれませんし、本当にお腹が空いている人だけに絞って配ってあげるかもしれません。もしかしたら見なかったことに…なんて考えも頭を過りますよね。さらには外を見るともっと多くの空腹そうな人たちが溢れている。時間を戻せるとした場合、あなたは同じようにもう一度隣の人に同じだけのパンを配るでしょうか?
極端な例ですが、これが経営者視点とメンバー視点の違いです。

目の前の顧客と向き合う

勘違いしてほしくないのですが、これはあくまでも役割の違いであって、メンバーは目の前のお客さん(先ほどの例でいくと隣にいる人)と徹底的に向き合うことが大事であり、むしろそれを期待されています。ただ、経営者はもっと大局で捉えることが必要で、会社の限られた資産をどこに当てるか、その分どこを削るのかといった視点で考えることが求められますし、それが役割です。つまり全体最適で意思決定をしていかなければいけません。メンバーが目の前のお客さんと向き合うのは部分最適であり、経営者が全てのお客さんやマーケットと向き合って資源を配分するのが全体最適であり、両者から導き出される結論は大抵の場合は異なってしまうのです。これが「経営陣はお客さんのことをわかっていない」と感じてしまう原因です。
では、全員が全体最適で考えればいいのかというとそれもまた違ってきます。あくまでも部分最適の集合体が全体最適のヒントになるので、メンバーは自分の顧客と徹底して向き合うことが重要です。

小さくてもリーダーを経験する

フリーランスや一人社長であればその限りではありませんが、少なからず社員を雇用して経営をしていく場合にはこの辺りのスイッチの切り替えが求められます。一方で、会社員として働いている中では経営者視点を持つことは難しいとお伝えしました。じゃあどうやって鍛えるのか。それはどんな小さなプロジェクトでも良いので、利害関係者が複数存在するチームでリーダーの経験を積み上げることです。どんなプロジェクトでもリーダーにしか見えない景色は存在し、リーダーは常に全体最適を考えながらプロジェクトを遂行していく必要があります。そしてそれと同時に解決すべき本質的な課題を見失わないようにし続ける必要もあります。これを可能な限り多く経験できれば、起業する際に大きな財産となることでしょう。そしてこれは社内に閉じた話ではなく、プライベートな活動でも経験できることです。私自身もプライベート含めとにかくこの役割を買って出てきました。当然ストレスがかかることも多かったですが、こうした経験の積み上げは今の経営に大いに役立っていると感じます。

さて、今回は経営者視点とその違いについてお話ししました。もちろん視点以外にも会社員との大きな違いはたくさんありますが、ここだけは今のうちから訓練しておかないとなかなか簡単には身につけられない力だと考えています。
視座が上がれば重い腰を上げざるを得ないですし、視野が拡がれば捉え方を柔軟に変えざるを得なくなります。ぜひ意識的に視界を拡げることで起業の可能性も拡大していってください!

文:吉田直哉

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